一つ一つに情熱を、一球入魂!! Fさん
書籍
書籍名
[新訳]風姿花伝著者
世阿弥 著/観世清和 編訳≪二十六世観世宗家≫出版社
PHP研究所感想・一言
私にとっては、あまり馴染みのなかった”能”ですが、約600年も前に書かれた古典花伝には、我々の生活や会社経営にも落とし込むことができる、戦略本でもあり、自分を見つめ直すものでもあります。ふと読むときでも普遍の原理や、自分の今必要なことを改めて発見できたり、励みももらえます。「花」というキーワードを中心に、舞台において、どのように勝っていくか、どのような振る舞いをすべきか、どのような心得でもって取り組むべきかが書かれています。これらは、能に限るにはもったいないものがあります。
(是非・時々・老後の)初心忘るべからず・花は花でも一瞬の輝きに過ぎず、失われてしまう花「時分の花」、自分を客観的に見ているかについて戒める「離見の見」、「目前心後」。
さまざまなフレーズがあるなかで生涯通して能をした世阿弥ならではの説得力を持っています。
そんななかで世阿弥も追求すべきだと書いている「まことの花」があります。
自分にとって本当の花とは何なのか、突き詰めていくことってとても大事なことだと思えます。
「秘伝の書」とも言われた本でもあり、どこか敷居の高いイメージのある能ですが、さまざまな分野に通じる、ベース面について書かれたものなので、是非、皆さまも読まれてみてはいかがでしょうか。

情報コンシェルジュ Kさん
書籍
書籍名
虹色のチョーク著者
小松成美出版社
幻冬舎感想・一言
日本理化学工業株式会社という会社をご存じでしょうか?神奈川県川崎市にあるチョークを製造している会社で、業界シェア1位を誇っています。
さまざまなメディアで報道されていたり、日本でいちばん大切にしたい会社として取り上げられたり、たくさんの賞を受賞しているので、ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、社員の7割が知的障がい者であることでも有名な会社です。
本書は、同社を取材した著者によるノンフィクション。
モノやお金をもらうことが人としての幸せではなく、いかに人に愛され、褒められ、役に立ち、人から必要とされることをもとに、同社大山会長の信念や従業員の感謝が散りばめられている密度の濃い1冊でした。
どのような会社にも大なり小なり物語はあるもの。
その物語に対し、会計事務所はいかに関わっていけるか? どのような登場人物として振る舞えるか? など、いろいろと考えさせられました。

真心会計コンサルタント Kさん
書籍
書籍名
自分の中に毒を持て著者
岡本太郎出版社
青春出版社感想・一言
「人生は積み重ねだと誰でも思っているようだ。ぼくは逆に、積みへらすべきだと思う。財産も知識も、蓄えれば蓄えるほど、かえって人間は自在さを失ってしまう。過去の蓄積物にこだわると、いつの間にか堆積物に埋もれて身動きができなくなる」本の冒頭から強力なパンチをくらったような衝撃を受けました。
その頃私は自分が道の行き止まりに立っているような気持ちで日々を過ごしていました。バスを待ちながらぼんやり立っているときは、ビルが詰まった透明な箱の底に自分がいて、息をするのが苦しいくらいでした。
堆積物で身動きできなくなっている私に岡本太郎はこう告げました。
「人生に挑み本当に生きるには、瞬間瞬間に新しく生まれかわって運命をひらくのだ。心身ともに無一物、無条件で、捨てれば捨てるほど、いのちは分厚く純粋にふくらんでくる。」
目から鱗が落ちるような気持ちで、最後まで一気に読んでしまったら、行き詰まっていることがなんだか面白くなって来ました。
昨日の自分をぶち壊して毎日ゼロから始めていく、そんな発想が私に勇気と希望を与えてくれました。
「芸術は爆発だ。」は有名な言葉ですが、爆発とは音もしないし物も飛び散らない。
全身全霊が宇宙に向かってパーッと開くこと。それこそがいのちの本当のあり方 だと筆者は言っています。落ち込んでいるときに絶対おすすめの本です。
心が自由になってジワジワとエネルギーが沸いてきます。

チェンジ担当!! Uさん
書籍
書籍名
「ラストオーダーは稼ぎ時」著者
中島孝治出版社
商業界感想・一言
行徳にある「手羽矢」という居酒屋に行く機会が多く、行く度に「繁盛してるなぁ」「おもしろいサービスをしているなぁ」と感じていたのですが、そのお店の経営者が書いた本が出ていたので読んでみました。内容としては、第一号店である南行徳店の開店から、程なくして訪れた倒産危機、そして危機から脱して軌道に乗るまでのリアルな数字とともに、実際に試行錯誤して行った様々な施策とその結果まで書かれています。
販売促進方法や値段の決め方など、参考になる事例は多く、特に、新規客・リピーター・常連の考え方は勉強になりました。
飲食店経営者にお勧めです。

never岐阜アップ! Mさん
書籍
書籍名
漫画 君たちはどう生きるか著者
吉野源三郎出版社
マガジンハウス感想・一言
昭和12年の本にもかかわらず、200万部突破の大ベストセラーメディアで紹介されたり、本屋さんで平置きされているのを見かけた方も多いかと思います。
お父さんを3年前に亡くした中学2年生のコペル君が、
日常生活で直面する様々な問題を通して、母方の叔父さんと生き方を考えて成長していく物語。
コペル君の日常はありふれていて特別なものではないのですが、
どこにでもある日常と、その日常への対応から、自分の在り方を考えさせます。
出版当時は事変や戦争が始まり、先が見通しにくくなっていた時代。
当時はそんな時代だからこそ、
こどもたちに考えることの大切さを知ってほしいと書かれたといいます。
悩み、考え続けたコペル君が一歩を踏み出し、走り出すラストシーン。
そこには、原作者・吉野源三郎氏からのメッセージが添えられています。
“最後に、みなさんにおたずねしたいと思います。
君たちは、どう生きるか。”

親切をモットーに! Sさん
書籍
書籍名
子どもは「この場所」で襲われる著者
小宮信夫出版社
小学館感想・一言
子どもを対象とする犯罪の報道に接するたびに胸を痛めます。そうした犯罪は変質者や不審者といった「人」が引き起こすことに間違いありませんが、本書では、
「不審者・犯罪者といった『人』ではなく、犯罪が起きる『場所』に注目し、そうした場所をできるだけ避けて行動したり、自分自身で警戒レベルを上げることで犯罪から大きく遠ざかることができます。」(「はじめに」より)
とし、これが世界では現在主流となっている「犯罪機会論」と呼ばれる最新の犯罪理論であると説いています。
この考え方は「人」に注目する従来の「犯罪原因論」と対置され、
「犯罪者は『入りやすく、見えにくい』場所を好むという原則の理解に立って、未来の犯罪の可能性を予測し、その発生を防止することができる」(「はじめに」より)
としています。
通読していて腑に落ちる部分が多々ありました。
わが家の地域にも、本書ならココは危険!と判定するような場所が多々ありますので、子どもの安全確保に役立てようと思います。
また、当事務所は現在、ミス撲滅キャンペーン期間中です。
本書の犯罪機会論に示唆を得て、ミスを起こす「人」の判断力や注意力を検証する以前に、ミスを起こしやすい機会や状況を抽出し、これをミスを誘発しやすい「場所」として理解することで、ミスの抑制につなげたいと思い至った次第です。
