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再生
皆様、残暑お見舞い申し上げます。今回ブログ担当(か)です。
異常な暑さの夏でしたが、外で働く方々やお子様まで、
人と接する場面では皆が、きちんとマスクを着用していて感心していました。
さて、私は家で過ごすこの夏に、ひとつ嬉しいことがありました。
手前の咲いているバラのすぐ後ろに真っ黒な枯れた枝があるのですが、
7月まではこの鉢には、この枯れ木が生えているだけだったのです。
元々は40年ほど前、中古で買った母の家の物干し場に、ぽつんと置き去りにされていたものです。
母が足腰が不自由になり、5年前に私が譲り受けました。
驚いたことにそのバラは、穴のない缶のようなものに入れられていました。
雨が降れば、缶の中には水が溜まってびしょびしょであったはずなのに、
根腐れせず、毎年二つ三つは花を咲かせていたというのです。
私はさっそくバラの好む土をつくり、大きめの鉢に植え替えました。
しばらくすると、ワンシーズンに2回沢山の花をつけるようになりました。
木の幹は古く、見たところ枯れているかのように見えるのですが、
その先端だけは唐突に、しなやかな枝に変わるのです。
私は嬉しくて切り花にして、母に届けたり、落ちた花をポプリにして香を楽しんだりしていました。
ところが、ある日突然病気になり、あっという間に枯れてしまったのです。
何十年も劣悪な環境で、生きて来たこの木がなぜ?
こんなに大事にしているのに、残念でなりませんでした。
根だけはついていたので、捨てる気になれす、ここ2年ほど放置してありました。
たまに触れると、無残な枯れ果てた古木は、かつて生き生きとしていた先端まで、
完全に枯れ切って固くなっていました。それでも水をやり、雑草を取っていると、
ある日雑草の中にチクリと、とげがあるものを発見しました。
それは、まさしくバラでした。この暑さの中、どんどん成長して、小さなつぼみをつけました。
咲いてみたら、花こそ小さいものの、このバラの同じオレンジで、
なつかしい人に出会ったような気持ちになりました。そして、植物の力強さを想いました。
置かれた場所で、その環境に適合していくしなやかさを感じました。
もしまたダメになっても、肩の力を抜いて楽しもうと思いました。
このバラは、たぶん私よりずっと長生きしそうですから。